映像翻訳のトライアルで不合格が続くと、先が見えずに不安になってきませんか?
- 受かるまでのモチベーション維持が大変
- 評価コメントが腑に落ちず、次回の対策の方針が立たない
- 早くトライアル不合格から抜け出して映像翻訳者としての一歩を踏み出したい
私事ですが、映像翻訳者になって6年目を迎え、人の原稿をチェックさせていただくことも増えてきました。
そこで、これまでの自分のトライアルやチェッカーの仕事での気づきを振り返り、
- 意外と見逃しがちな減点ポイント
- ケアレスミスを防ぐ原稿チェックの方法
- 翻訳スキルを高めるために私が行っている勉強法
をまとめてみました。
なかなか合格できなくて悩んでいる方の参考になればうれしいです。

目次をクリックすると、気になるところだけ飛ばし読みできます!
映像翻訳のトライアルに受からない理由は大きく分けて3つ
私が考える映像翻訳のトライアルに受からない理由(要素)は大きく分けて3つです。
- 意識の持ち方の問題
- ケアレスミス
- 翻訳・英語解釈のミス
映像翻訳のトライアルで不合格の結果が出ると、たいていの人は3の翻訳・英語解釈のミスを一番に疑うのではないでしょうか。
しかし実際には、意外と1と2で減点されているケースも少なくないと思います。
トライアルを受ける時は翻訳作業に一生懸命になるので、それ以外のポイントを見逃しがちになるのです。
1や2は、心がけ次第ですぐ改善できるので、思い当たる方はぜひ気をつけてみてください。

ところで、「意識の持ち方」って何?
という疑問を抱いた方もいると思うので、次の項目でもう少し具体的に説明しますね^^
大前提:映像翻訳のトライアルに受からない人は「意識の持ち方」を変えてみる
トライアルを受ける時、あるいは原稿を提出する時に
「まだプロじゃないから…」
「今回の原稿、自信がないなぁ」
と思っていませんか。
もしそうであれば、
次回のトライアルから「自分はプロだ」という意識を持って挑むべきです。
なぜなら、トライアルは「プロになれる人か否かを判断するための試験」だから。
つまり、試験を通して翻訳会社にプロとしての仕事を見せなければならないということです。
私自身の経験ですが、
「自分はまだ映像翻訳のプロじゃない」と思っている限りは、
どうしても原稿への向き合い方が甘くなってしまいます。

例えば、わざわざ「私はプロじゃないので…」と自信なさげなシェフのレストランにわざわざ行きませんよね。それと同じです。
スクールの一歩外に出たら、翻訳歴何年だろうとプロとして仕事をしなければいけません。
なので、トライアルに受からないと悩んでいる場合には、
「自分はプロとして仕事をしている」という意識を強く持ってみてください。
意識を変えるだけでもトライアルへの向き合い方が変わり、
結果として原稿の質がぐんと上がってくるはずです!
具体的にどうやって原稿の質を上げるのかについては、
次の項目で説明していきます。
映像翻訳のトライアルに受からない時のチェックポイント
映像翻訳のトライアルで不合格の結果を受け取ったあと、どんな復習をしていますか?
訳例と自分の訳を見比べてリライトするというのも、確かに大事。
しかし、さらに大切なのは、
なぜ自分の原稿が合格ライン、
つまりプロとして働ける人のラインに満たないのかを、冷静に分析することです。
といっても、どうやって分析したらいいのか見当もつかない…という人もいるかと思います。
そこで、チェックするとよい項目をざっとまとめてみました。
大きく分けて、2つのリストを用意しました。
- ケアレスミス、ビジネスマナー編
- 翻訳・英語解釈編

私は今でもうまくいかなかった点や指摘された点があれば記録して、頻繁に見直すようにしています。自分への戒めみたいな感じです。笑
映像翻訳トライアル不合格のチェックポイント:ケアレスミス、ビジネスマナー編
ケアレスミスやビジネスマナーは、意識すれば今すぐに改善できます。
これらで減点されるのは非常にもったいないので、改善できる部分がないかをしっかりチェックしておきましょう。
ルールや期限を守るのは、社会人なら当たり前のこと。
たとえトライアルに合格しても、ルーズな人には仕事は来ないと思って、何よりも気をつけるようにしましょう。
また、指示書は慣れないうちは読み込むのが大変ですが、しっかり目を通しましょう。

どうしても頭から抜けてしまう時は、簡単に箇条書きなどに書き出してリスト化しておくのもおすすめですよ~!
映像翻訳トライアル不合格の時のチェックポイント:翻訳・英語解釈編
翻訳や英語解釈については、時間をかけてスキルを上げていくほかありません。
しかし、いずれプロとして働くならば、絶対に避けることはできない必須スキルなので、今のうちにしっかり向き合っておくことをおすすめします。
まずは、提出原稿を以下のリストでチェックしてみてください。
さらに、スキルに不安がある場合には、改めて自分の弱点を明確にしておくと良いと思います。

上記に挙げた項目が必ずしもすべてではありません。
慣れてくると自分なりのリストができてくるはず。
私がやっていた(というか今でもやっている)勉強法やおすすめの書籍などについては、本記事の後半で紹介しています。
トライアル原稿はチェック方法を工夫すれば精度が上がる
人間なら誰にでもミスやチェック漏れはあるものです。
そんな時におすすめなのが、チェック方法を工夫してみることです。
チェック方法を変えてみるだけでも原稿の精度は上がるので、やったことがない方はぜひ試してみてください。
例えば、
- 声に出して読んでみる(不自然な日本語に気づきやすい)
- 横書き→縦書きに変えてみる(ワードで一括変換できます)
- 翻訳する場所と違うところでチェックする(機密保持の点には注意して。)
などなど。
仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか? [ 飯野謙次 ]という書籍がチェックルールを作るのにとても役立ちました。

タイトルを見ただけで私の悩みがバレますね^^;
映像翻訳のトライアル不合格から抜け出すための勉強法やおすすめ本
最後に、映像翻訳トライアル合格を目指す時におすすめの書籍や勉強法を紹介します。
トライアルだけでなく、合格後のスキルアップや情報収集にも役立つものを挙げていますので、ぜひ参考にしてみてください。
翻訳力に自信がない場合
そもそも翻訳のスキルにまだ不安がある場合には、トライアル受験からいったん離れ、映像(字幕)翻訳ではなく文章をきっちり翻訳する練習をしてみてください。
字幕の勉強をしていると、つい細かいニュアンスや苦手な文法から逃げがちですが、ぐっとこらえましょう!
原文を丁寧に訳す練習を積んでおくと、誤訳・過度な意訳・訳抜け・ニュアンス違いなどを防ぎやすくなります。
翻訳力を鍛える上で私がずっと愛用しているのが以下の書籍です。
いずれも演習と丁寧な解説があり、実際に自分で訳しながら読み進めると、新たな発見がたくさんあります。
とても不思議なのは、両書籍とも読んでいると翻訳の楽しさがブワブワッとよみがえってくるんですよね。「あ、わたし翻訳が好きなんだな」って再確認できるというか。
トライアル受験に疲れてきたなという方は、ぜひ一度手に取ってもらいたい本です。
日本語表現力を高めたい場合
日本語の語彙力や表現力に不安がある場合には、
- 日本語のテレビ番組や映画などから生きた表現を抜き出してメモを作る
- 表現集や類語辞典を使う
などの対策が考えられます。
一般的な用語集などはスクールでも紹ただし介されていると思いますので、私からは読み物としても面白い書籍をご紹介しておきます。
著者の方が806の小説から感情の表現がなされている一文を抽出してまとめたという、何ともユニークな書籍。
「喜び」という感情ひとつとっても、あらゆる表現があることを思い知らされます。
それから、以前ライターをやっている知人が紹介してくれた以下の書籍も学ぶところが多かったです。
・「接続詞」の技術 書きたいことがすらすら書ける! [ 石黒圭 ]
短い文章でストーリーを正確に伝えなければいけない字幕こそ、接続詞の使い方がとても大切だと思います。

映像翻訳に関係ないように思える書籍に、思いがけず役立つ発見をすることがよくあります。
全文訳→字幕にまとめるのが苦手な場合
長い全文訳から情報を選んで字幕にまとめるのって、難しいですよね。
考えうる対策を挙げるとすると、
- プロが翻訳した字幕作品の中で、原文は長いセリフなのに短くまとまっている字幕を探し、なぜその情報のみを出す判断をしたのかを徹底的に考える
といった勉強をすることでしょうか。
ただし、
セリフによっては少し演出が加わっている可能性があること、
また古い映画だと全体的に字数が少なめな可能性もあること
には注意が必要です。
できるだけ最近の映画を使って勉強することをおすすめします。

個人的にはクラシカル映画の字幕は大好きですが、勉強する時は自分の仕事に近しいジャンルや年代のものを選びます。
ブランクがあって不安・スキルを鍛えなおしたい場合
- 卒業、前回のトライアル受験からブランクがあいてしまい不安
- もっと徹底的に原稿を見てもらってスキルを鍛えなおしたい
といった場合には、スクールのトライアル準備講座を受けるのも良いでしょう。
難点は、時間とお金がかかることです。
しかし、改めてスクールを受講するメリットはとても大きいと言えます。
- ひとりよがりな勉強方法にならない
- 自分が見落としたり忘れたりしていたポイントを改めて学べる
- 仕事獲得という目標がはっきりしているため、学習の精度が上がる
現状の自分のレベルや弱点を明確化し、スクールの課題の中で1つずつ弱点をつぶしていく方が、やみくもにトライアルを受けまくるよりも最短で合格に近づけるかもしれません。
映像翻訳学校の講座
リサーチしてみたところ、以下のような講座がありました。
◆ワイズ・インフィニティさんの英日字幕講座 インテンシブ科 …マンツーマン、単発受講可なのがとても良さそう。SSTのトレーニングもできるそうなので、仕事を受注する前に不安を解消しておくのも良い。
◆日本映像翻訳アカデミー(JVTA)さん/アルクさんの映像翻訳Web講座 スキルアップコース 字幕 …まさにトライアル前の弱点克服を目的とした講座。申し送りの書き方なども学べるのがポイント。1対1で添削してもらえる。 ※残念ながら他校生は受講できないようです。
◆フォアクロスさんのプロクラス …フォアクロスの登録翻訳者を育成するための講座ということで、卒業校のトライアルになかなか受からない、という人の突破口になりそう。
◆フェローアカデミーさんの映像翻訳トライアル対策(※募集締め切り?) …株式会社iYuno Globalさんが講師となって、映像翻訳のトライアルのコツや合否のポイント、採点者のチェック手順、質疑応答など、トライアルで迷っている人が知りたい情報がぎゅっと詰まっている。次期募集があることに期待。
映像翻訳トライアル不合格の壁を越えよう。
映像翻訳のトライアルに苦戦中の方に向けて、分析してみるとよいポイント、原稿チェックのアイデア、そしておすすめの勉強法をまとめてみました。
何かひとつでも次のトライアルの突破口になるような情報をお伝え出来たら
他にも良書やよさそうな勉強法などがあれば、また更新していきたいと思います!
本記事があなたのトライアル合格への何らかの突破口になれば幸いです^^